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ブログ2021-08-09T09:12:13+01:00

JASON 3.1 – 機能の拡張と自動化-

By |11月 13, 2023|Categories: Automation, JASON, JEOL software|

JASONバージョン3.1が登場し、NMR処理・分析機能と自動化オプションが拡張されました!   DOSY機能が拡張 JASON 3.1では、DOSY結果を報告する新しいテーブルが導入され、Arrayedテーブルやチャートと並んで、Kineticパネルから作成できるようになりました。 フィッティングダイアログでは、Stejskal-Tanner方程式がサポートされ、拡散データのフィッティングやDOSY解析を視覚化することができます。パルスシーケンスパラメータから直接、補正された拡散時間の自動計算機能を導入しました。 外部コマンド処理スクリプト(関連記事:External Command processing scripts, [...]

JASONの能力を拡張する (その3) :高度な外部処理、t1ノイズ除去

By |10月 11, 2023|Categories: JASON, JEOL software|

これまでこのシリーズでは、JASONが処理中のデータを外部プログラムに渡すことで、JASON内では現在利用できない処理を実行できることを紹介しました。今回は、t1ノイズ除去のための処理関数をpythonでプロトタイピングした後、開発チームがJASONのメインコードに実装した実際のアプリケーションを紹介します。 高ダイナミックレンジのサンプルは、2次元スペクトルの間接観測軸の方向に好ましからざる様相を呈することがあります。これはいわゆるt1ノイズと呼ばれるもので、各t1インクリメント間の信号強度の小さな変動から生じます。これらの変動はt1では変調されないため、スペクトル上のt1/F方向に平行な縞模様として現れ、かつスペクトル中の強い信号と関連しています。最新の分光計ハードウェアはこのようなアーティファクトを大幅に減少させますが、データ処理段階で除去する必要がある場合もあります。   t1ノイズを抑制するアルゴリズムは数多く存在しますが、このブログでは、ManolerasとNortonが提案し、Journal of Biomolecular NMRに掲載されたものを紹介します(J. Biomol. NMR 2 [...]

JASONのパワーを拡張する(その2) :MATLABとRによる外部コマンド処理

By |9月 10, 2023|Categories: JASON, JEOL software|Tags: , , , |

前回のブログでは、JASONの外部コマンド処理としてpythonを使用し、NMR処理過程のどのポイントでもデータに対して操作を実行できることを説明しました。これは、例えば新しいデータ処理のアプローチを開発するユーザーにとっては、非常に強力でかつ柔軟なツールとなります。 しかし、もしあなたのお気に入りのプログラミング言語がpythonでなかったら?JASONの外部コマンド処理機能は、HDF5フォーマットのデータを読むことができるすべての外部プログラムやスクリプトにデータを送ることができます。これには、最新のプログラミング言語の大半(そしてそうでないものも!)が含まれます。 このブログでは、MATLABとRスクリプトの両方をJASONから呼び出し、前のブログで説明したのと同じ操作を実行する方法を紹介します。MATLABはネイティブでHDF5ファイルの読み書きをサポートしていますが、Rは追加のライブラリをインストールする必要があります。このブログで紹介する例では、rhdf5ライブラリを使用します。 MATLABスクリプトは、前回説明したinvert.py pythonスクリプトと概念的に非常に似ています。MATLABファイルはデータに適用される関数を実装しています。MATLABはすでにinvert()と呼ばれる関数を持っているので、誤って間違った関数を呼び出さないように、この関数に別の名前、この場合はinvertspec()を付けます。h5read()関数とh5write()関数は、HDF5ファイルからデータを読み書きします: 前のブログ記事のpythonスクリプトのように、データセットのサイズを変更しないので、元のデータを変更後のデータに置き換えるだけです。 JASONからこのスクリプトを呼び出すのは簡単です。外部コマンドの処理項目を処理リストに追加し、いくつかのオプションを設定するだけです。MATLABの場合、コマンドは単に "matlab "で、引数は以下の通りです: -nojvm [...]

Introducing JASON Version 3.0

By |8月 16, 2023|Categories: JASON, JEOL software|Tags: , , , |

JASON バージョン 3.0 のリリース 今回のJASON 3.0は発売開始以来で最も大きなリリースの一つになります。その中身には、マルチベンダー対応の商用NMRソフトウェアとしては初めてとなる3Dスペクトルデータのサポートが含まれます。 3Dデータのサポート 3D NMRデータの取り扱いの要請に応えて、JASON 3.0では、例えばHNCAなどに代表される3Dデータ(FID)の処理(JEOLデータ)と、そのスペクトルデータの表示(JEOL及びBrukerデータ)が可能となりました。 [...]

JASONの機能を拡張する (その1) :外部コマンド処理項目の使い方

By |8月 10, 2023|Categories: JASON, JEOL software|Tags: , , |

JASONには、NMRデータを処理・解析するための強力なツールが揃っていますが、時にはJASONにはないような処理を行いたいこともあるでしょう。このブログ記事シリーズでは、「外部コマンド」という処理機能の使い方を紹介します。これにより、NMRデータを外部プログラムに渡し、何らかの処理を行わせ、その結果を再度JASONに返すようなことを実行することが出来ます。 この機能はどのような方に適しているでしょうか?例えば、Non-uniformサンプリング再構成法、新しい窓関数、信号処理技術など、新しい処理技術を開発している研究者は、このような機能が不可欠であることに気づくでしょう。実際、利用者はNMRデータの処理過程のどの時点でも、また何回でも、外部プログラムによる処理のためにデータを送ることが出来るので完全に自分のデータをコントロールすることが出来ます。 この機能はどのように動作するのでしょうか? JASONは、HDF5というファイル形式でデータを保存します。この形式は、Python、Matlab、R、Mathematicaなどを含む主要なプログラミング言語のHDF5ライブラリにより、さまざまなツールで読むことが出来ます。つまりあなたの好みの言語を外部スクリプトとして使うことが出来るのです! データは「外部コマンド」の引数として指定されます。JASONはそれをスリム化されたHDFファイルとして生成し、外部処理に渡します。外部計算が完了すると、JASONは出力を読み返し、処理は処理リストの次の項目に進みます。 このブログでは、簡単なpythonスクリプトを使った外部コマンド処理の使い方を紹介します。ここに紹介した例は、単純にスペクトルを反転させるだけのものですが、もちろん、もっと高度な計算も可能です。限界は、もしあるとすれば、あなたの想像の中だけに存在するものです! これから説明するpythonスクリプトを以下に示します。Pythonは、h5pyライブラリを使用してHDF5ファイルにアクセスすることができます。h5pyライブラリは、Pythonでの科学計算によく使用されるNumPy配列としてデータを返します。   スクリプトは、python標準ライブラリからh5pyとNumPy、sysをインポートする3つのステートメントから始まります。JASONから送られたHDF5ファイルは、h5py.File()関数を使ってファイルハンドルとして開かれます。セキュリティ上の理由から、NMRデータはJASONからランダムなファイル名で送信されるため、sys.argvリストを通して、これをpythonスクリプトの入力引数の一つとして取り込みます。 ファイルを開くと、その中のNMRデータはpythonのライブラリ構文を使ってアクセスできます。HDF5ファイルはデータを格納するためにパスのような階層構造を使用し、これらのパスはライブラリのキーとして使用されます。例えば、NMRスペクトルの実数部は/JasonDocument/DataPoints/0にあり、/JasonDocument/DataPoints/1は虚数部にあります。 [...]

JASONでのNMRデータ処理:全機能一覧

By |7月 28, 2023|Categories: JASON, JEOL software|

JASONのバージョン3.0の最も重要な新機能の一つは、生体分子のNMRアプリケーションで日常的に収集されるような3Dデータのサポートです。これを念頭に置いて、このブログではJASON 3.0で実装されたすべての利用可能な処理関数の簡単な概要を説明しようと思います。個々の機能のより詳細な説明は、今後のブログ記事で取り上げる予定です。図1は、JASONの開発とテストのためにJEOL USAの同僚から提供された3D HNCAスペクトルを使った例です。現在適用されている処理は、左側の "Processing "パネルに表示されています。3Dリストは、F3として宣言された直接観測軸、2つの間接観測軸F2とF1からなります。図1では、3Dスペクトルで選択されたF3(1H)-F1(13C)2D平面の上に”Edit Processing”ダイアログが表示されています。左側の "Available "というラベルの下に、利用可能なすべての処理関数のリストが表示されています。マウスの左ボタンを使って、要素を "Selected [...]

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