JASONバージョン3.2は、JASONチームによる2024年の最初のリリースです。
JASON 3.2では、NMRとともに質量分析データも追加できるようになりました。JEOL JMS-S3000 SpiralTOF(MALDI-TOFMS) のユーザーは、JASONにデータを読み込むことができるようになり、JEOL JMS-S3000 SpiralTOF の質量分析(MS)データをパラメータとピークの簡単なレポートと一緒に表示することができます。
NMR 以外にも様々な分析化学データのサポートを拡張していく予定です。現在、無償のMAGRESプラグインはNMR結晶学ワークフローをサポートしています。例えば、リガクとJEOL で共同開発した革新的で画期的な電子回折装置、XtaLAB Synergy-EDで得られたデータなどです。
改善概要
この3ヶ月間、JASONチームはユニークなキャンバスのコンセプトを活用したJASONの機能改善と拡張にも注力してきました。
テーブルの開発に力を入れ、キャンバス上のテーブル外観と動作を再設計しました。バージョン3.2では、ドキュメント内、全てのスペクトルのNMR帰属情報を含むことができる新しい“複合 NMRテーブル”を導入しました。この新しい複合 NMRテーブルにより、より直感的な帰属作業をサポートします。
データ・フィッティング・エンジンの改良はフィッティング残差 をグラフに表示できるようになり、フィッティング結果は新しいテーブルにまとめられています。
テーブルの操作性も改善され、キャンバス上でテーブルのジオメトリを変更するのがより簡単でわかりやすくなりました。セルを複数行にできるようになり、確認やレポート作成時のテーブルの見やすさが向上しました。
緩和時間データの対応
JASON3.2では、擬似2次元解析とデータフィッティングが拡張され、ROSY (Relaxation Ordered SpectroscopY) 処理による緩和データのサポートが追加されました。また DOSY 処理と同様のワークフローで、JASONはT1インバージョンリカバリー(反転回復法)実験の解析をより便利にサポートします。
データが持つオリジナルパラメーター解釈の改善により、擬似2D統合と強力なフィッティングダイアログを使用して、標準的なキャリブレーション実験データを簡単に解析すること
GUIの改良
この新バージョンでは、JASONのビジュアル面においても大幅な改良が行われました。例えばスタックデータにカラーグラデーションを適用したりすることができます。
またNMRピーク、積分、マルチプレットの操作は視覚化の改善と共に向上しました。
積分ベースラインのインタラクティブな調整機能の操作性、よりインタラクティブで高速なMultiplets/Integralダイアログ、編集されたピークの’*’による明確な表示により、ピークでコンボリューションの識別がわかりやすくなりました。
- ユーザーは 1 回の操作で積分を複数のスペクトルにコピー&ペーストできるようになり、より多くのピーク選択アルゴリズムが導入されました。
- レポートの作成において、SVG(スケーラブル・ベクター・グラフィックス)の出力が改善され、生成されるSVG出力の詳細レベルの選択肢が増えました。
- スペクトルの“表示範囲の切り落とし”に正規化表示オプションが追加され、利用可能なスペースに最大強度で表示させ、スペクトル間を異なる垂直スケーリングで表示できるようになりました!
ルールの更新
ルールの編集と更新ができるようになりました。機関や会社のロゴが変わったからといって、新しいルールを作成する必要はありません。既存のルールを新しい画像で更新するだけです。!
SMILEQの拡張
SMILEQプラグインもさらに強化されています。複数の外部標準が分析されている場合に概要レポートを生成できるようになり、溶媒補正に関する情報を分析ファイルに保存できるようになりました。
バグフィックス
もちろんいつものようにJASONバージョン3.2には、バグ修正が含まれています。
今後も注目を!
JASON 3.2の主な機能をここではいくつか紹介しました。
これらのエキサイティングな改良をより詳しく説明する今後の記事を見逃さないでください!
Leave A Comment
You must be logged in to post a comment.